(『花時間』4月号(角川マガジンズ)43ページ 
撮影・中野博安氏 構成と文・坂本典子氏
「教えて!その花束の「素敵」の理由」)

掲載していただいたうちのひとつ、男性へ贈る花
というテーマで束ねた花束です。
ビタースイートなかんじ、
甘いような渋いような。
私が勝手に想像する、「今風」の色。

今日、週に一度定期的に花の交換に伺っている
大きな中華レストラン様から、電話がありました。
活けこまれた桜の枝が枯れてしまったというご連絡。
いつもはアシスタントさんにお願いしている仕事、
活け代える予定は明日の朝ですが、
急遽、その予定のミツバツツジを抱えて
様子を見に行きました。

原因は水切れ。
たぶん、いつもよりたくさん水を吸ってしまって、
お店の方があげてくださった水の量が
追いつかなかったようでした。

春のはじめ、この時期はとくに
水をたくさん吸う花や枝が
多いように思います。
まるで同じような、温度でも、湿度でも、
秋と春の違いを思わされます。

東京は、今日は夕方から雨。

外に出て雨が降りはじめるたぶん1時間前、
DJボックスへの人だかりと
渋滞の続く原宿駅近く、交差点の前。
まだ葉もない裸の並木の枝を見上げ、
やっぱり2008年今この東京も
けっこう好きだと思います。

たった一人で一会をやっていたころ、
目黒川沿いその桜吹雪の下に偶然いあわせ
舞い落ち続ける花びらを見上げていたことを、
思い出しました。
まるで自分が「東京」という海を泳ぐ
一尾のサカナになったみたいだ
そう思ったことを、思い出しました。

と、メルヘンに結んで、
(所詮ロマンティストにはなりきれない)
では皆様、今日もお疲れ様でした。