うーむと唸るほかない、最優秀賞。
ルーブル美術館で見た、花の絵を思い出します。

何年も通ってくださる生徒さんの面々は
仕事のできるOLさんや
弁護士さんやベテランの添乗員さんや大学の講師の方のほか、
実は花屋さんです、という方も結構います。

アシスタント新人さんの
「同業者の人多いんですね!
技術を盗まれたりして困ったりしないんですか?」
という、直球すぎる質問に
えーっと。
返答に詰まる。
うーん、なんというか
私はここで講師として
技術とか手先のテクニックを教えているわけではないのです。
自分では、「調律」のようなものだと思っています。
仮にいま、素晴らしい、絶世の名ピアニストがいて、
シェ松尾青山サロンのスタインウェイみたいな
素晴らしいピアノがあって、
でもその二つをつなぐために絶対に必要な、
調律の作業。
音が狂っていたら両方とも、その素晴らしさを生かせない。
あるいは、ギアがかみあう調整のようなものです。
なん百馬力、というすごいエンジンがここにあって、
ものすごく高性能の車のボディとかタイヤがあって、
でもギアがうまくかみあわなかったら
スピードがいまひとつでないので、
もぐりこんでちょっとネジを巻いたりゆるめたりするような。
(・・・わかりにくいですか?
そうですか。
すみません。
だから、余計ややこしくなるようなたとえをするなと。)
ほんの少しだけ直したら、劇的によくなる。
という経験を何度もしました。
講師は、調律するだけです。
とてつもない馬力と、その人だけの息をのむほどの
花に対する感覚を、結ぶだけ。
さらにいうならば、
それは本人が自分で苦悩の末に
はっと気付くのが、当然ながら一番いい。
多くの場合、よそから言われたこと(たとえ講師でも)よりも
自分で苦しんで、迷って、悩んで
そうこうするうちにふと天啓のようにひらめいたもののほうが
その後、力になるにきまっています。
だからずっと見守るだけ、なるべくぎりぎりまで口を出さずに
じっと見てるだけのレッスンです。
生徒さんがご紹介くださった記事のお礼をこちらで。
横浜 暮らしのお花教室 Flower note
http://ameblo.jp/flower-note/entry-11622150916.html

最優秀と最後まで迷った作品。
しかし何度も過去に書いたように、
この選考は花だけではなく、これを撮ってる
岩橋自身の写真の腕によります。
数日前のASOのブーケ、
写真の加工が自分でも今一つで、つまり本物のほうがずっといいのにと
思っていて、もう一度ちゃんと写真を選んで追記します。
最初に掲載したのは、納品直前の写真。
でもやっぱ慌ててて、よく撮れていません。先ほど追加した写真は、前日のものです。
ブーケの完成度はいまひとつだけど
こっちのほうが、このブーケのいいところを撮れてるのかも。
花という、命が短いものを扱うときに
それをその場で見ていただけない人に伝えるために
写真、は本当に大事です。
精進します。
11月26日のフォトグラファー山本先生をお招きしての
花とカメラのレッスンは、残席わずかとなりました。
持ち帰るのにひとつずつ丁寧に
花を束ねている生徒さん。
本業はものすごく忙しい人は無論別として、
花が上手な人ほど、こういう作業が美しいのです。
花を持ち帰るときになって、
「あ、大丈夫です持ってきましたから」と
普通にぼろぼろのセロファンを持ってきて、
広げて、丁寧に包んでくださいます。
感動します。
講師としては。
一会の定期レッスンの詳細はこちらです。
では皆様今日もお疲れ様でした。






