それは、まるで古城のような
言い表しがたい色のドレスでした。
ベージュとか紅茶とか一言ではいえない。
どんな色のブーケがいいか、
迷いながら新婦様が選んだのは、
デザートというバラ。
花の中央が砂漠の砂のような、不思議な色をしています。
たぶん同じドレスでも、これが
ホテルだったらまた違うブーケを作ったと思うのです。
でもあのラビュットボワゼ様へのブーケで、
このドレスで、この秋の深い日に、
この色のブーケで・・・と
迷って、自分の中では決断をして、お届して、
でもあまりに微妙な色ではあったので
やっぱり不安でした。
気に入っていただけたかどうか。
新婦様から嬉しいメールをいただいて、
とてもとても安心しています。
それは、この夏にいったモロッコの、
砂漠の上の空、砂漠の中の水の色です。
(「ね、そういう経験も生かされてるでしょう?」、
などと声高に主張しているわけではありません)
(「で、だからこの冬もどっか行かないとダメなんで」、
とか姑息な根回しなどは、ましてや、けして。)
砂の上につけた自分の足跡は
ぼかしも消しもできない事実で、
でもまたこの先、広がる砂丘の上をどう歩いてもいい
というのも、たぶん、本当にそれもそうです。
では皆様今日もお疲れ様でした。
ありがとうございました。
装花写真はこちらです
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