
パンジーの下に咲いているスズランは
花嫁さまの挙式用のブーケの花と、お揃いで。
自分の花は、人を大きく驚かせる力には欠けるけれども
ふと気づくと、あ、こんなところに。
という演出をよくします。
ちょっとわかりにくいですが
ゲストテーブルの青いグラスの中には、
一輪ずつ花を浮かせているのが透けて見えます。

そして会場の照明が落ちると、
上の花の中に落とし込んだキャンドルが
ガラスとゼリーを反射してほのかに光を放つ仕組み。
こうした工夫は
ご予算や時間との兼ね合いはもちろんありますが、
たいてい、その日の市場で
花を仕入れながら考えます。
すでに準備していた器をその日仕入れた花にあわせて
全部をいちから取り換えることも、しばしばあります。
そらもう、アシスタントさん絶句です。
ごめんよ。
でも、列席してくださるゲストの方が着席し、
お二人の登場までに間があって、
隣の方とのおしゃべりやご挨拶がちょっととぎれ、
そこでふと花を見ると、
わあ、と小さく驚いてくださるような。
お二人のおもてなしのお気持ちを、
目に見える形にすること。
それが自分の花で、自分の仕事だと思います。

南青山にあるサンタキアラ教会様は
オープンしたばかり。瀟洒で素敵な会場様です。
(念のため、当然ながら提携されているお花屋さんがありますが
このお二人は一会の花が持ち込めることを最初から
前提として会場を探してくださいました)
いつもきちんと丁寧な実直なメールをくださるご新郎様と
とても愛らしく可愛らしいご新婦様でした。
半年間のメールのやりとりを経て、
今日。
本当に、ありがとうございました。
では皆様、今日もお疲れ様でした。



