ローズユミ、というこの真っ白の美しいバラもまたアリアローズさんのバラです。
11月の三連休、市場には一本も大輪白バラが出ないくらい
激戦であることはあちこちで飛び交う情報で見聞きしていて、
それで重々、特別にお願いしていたバラは
箱を開けたら美しくって、息をのむほど。
ローズユミというバラはとても古くからある王道の白バラ、
その品のある気高い感じが帝国ホテル様にも似合うんじゃないかと。
この写真の時点ではまだ9割、撮ってからさらに10輪以上のバラを
挿したしています。本当は完成してから撮りたいのはやまやまですが
そうこうしてると撮りそびれるし、撮らなくては申し訳ないし、
しかし写真を撮ることそのものが目的ではない。
よりよいブーケに少しでも近づけることが目的。
いつも最後の15分、ブーケが出発するタイムリミットを何度も
時計を見ながらそこは葛藤します。
お届けしたアシスタントさんによると
お仕度中なのに
「こんな恰好でごめんなさい」と言いながら
大変喜んでくださったそうです。
よ、よかった・・・。
昨日は東京に少し強い地震があって余計に
どきどきしました。
去年の3月以降、一会では夜、ブーケを必ず固定してから帰るのが
習慣になっています。

夜中にもし地震があって、作ったブーケが全部倒れちゃったらどうしよう!
という強迫観念による。
心配性にも、ほどがある。
とは思うものの、でも打てる手なら全部打ちたい。
市場が大荒れだったり、地震があったり、
自分が調子悪かったり、アシスタントさが急に足りなかったり、
いろんな障害があって、
毎日毎日思いもよらないたくさんのことばかりなので
そういう場合のセーフティネットを幾重にも張り巡らせて、
できることは全部できるだけやって、
せめて、少しでもよい花を。
と思っています。
よく「戦っている」という比喩を使うのは、自分の癖のひとつ。
信用できる人じゃないと背中をあわせて戦えない、とかいう。
そいじゃ、戦う相手は何なのかというと
それは、自分自身です。
もういいや、と思う心と戦っている。
もう眠い、、もう疲れた、もう面倒だ、もういいや。
でもこの方もあやねこさんのウエディングダイアリーを見て、
一会を知ってくださった方。
あやねこさんの名前を汚さないように、できることをしなくちゃと思う。
過去の花嫁様の花を見て一会にわざわざ花を頼んでくださる
というのは、それは、ほんとに、かけがえのないことだと思う。
昨日のフォーシーズンのシャラパールブーケが
やはり「押し花に」と言ってくださって、一会に戻ってきました。
小さなカードが添えられています。
自分が一番欲しいのは
この小さなカードだ、と心の深くに、思い知ります。
では皆様今日も本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました。


