最初にメールをいただいたのは
結婚式の会場が決まる前から。
とてもとてもこだわりのある花嫁様でいらしたのに、
ブーケは、「一会におまかせで」。
結婚式を構成するたくさんの要素、
テーマカラー、アクセサリ、
好きなものと苦手なもの、
すべて厳密にセレクトされたものばかりなのに
ブーケはおまかせします、とおっしゃってくださって、
写真SNSのピンタレストにも、ご自分のボードに
たくさんの「私の好きな一会のブーケ」を
集めていてくださいました。
いつもお気遣いにあふれるメールをいただいて
心が美しいということはこういうことなんだなあと
思いつつ、やりとりさせていただきました。
かなうならば、
今日お届けするこのブーケが
その中に、入れますように。
と、祈る思いでした。
中央やや左、コスモスの陰に見える、
濃い紫の花は
ご新郎様のネクタイの色にあわせたものです。
お二人並んだらお揃いに見えるだろうと思って
この色を是非使おうと仕入れたものの、
この深い紫にあわせると
かわいいよりかっこいいになってしまって
新婦様の意向から少しずれてしまう。
何度も何度も組み直しました。
お届けした見習いアシスタントさんが言うには、
涙を浮かべてくださったそうです。
たった一言のありがとうをいただくために
気が遠くなるほどの、
地味で地道な日々の作業。
ということが分かったかねワトソン君。
精進あるのみ。
近道は結局どこにもないので、長い長い
らせん階段をただ黙って一歩ずつ上ることしかできません。
どうか、今日という一日が、
花嫁様にとって、
幸せな、特別な一日でありますように。
そう願って、やみません。
では、今日も本当に皆様お疲れ様でした。
幕張のホテルマンハッタン様へのブーケは
距離もあり、思い入れもあり、
無事に届いたという報告を受けて
張りつめていた緊張が一気にほどけて
もうものすごーく寝たかったです。
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