少しうつむきがちに咲いているのは、
白いラナンキュラス。
おばあさまのお好きな花なのだそうです。
実はお問い合わせをいただいたのは
挙式10日前。
造花のブーケを持つつもりだったけれど、
やはりどうしても、一会さんのブーケが諦められなくて。
そうおっしゃって、思い切ってお問合せくださった、
花嫁様に、深い深い感謝を。
喜んでくださっているといいなと思います。
打ち合わせにいらして、
こんなに間際でごめんなさい、と恐縮なさる花嫁様に、
こういう時いつも浮かぶ言葉、
いいえ、実は、
あなたがお越しくださるのを、
ここでずっとお待ちしていました。
ようこそ、来てくださいました。
それは、ある物語の冒頭の一文です。
見知らぬ人の突然の訪問に、主人公が言う言葉。
「ずいぶん前から、お越しを待っていたのですよ。」
彼は、客に驚く暇をあたえずに続けます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「じつは、あなたのほかには、
だれにも聞いてもらいたくない話があるのです。
その理由は、おたずねにならないように。
さしずめいまは、おすわり心地と、お茶の加減と、そしてまた、
僕の話を聞いてくださるかどうか、ただそれだけをおっしゃってください」
客も、これには、思わず微笑を浮べて、
あっさり、「よろしい」と一言、答えました。
「三つともみんな、およろしいのですか」
「ええ、三つともみんな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リルケ 『神様の話』「見知らぬひと」 新潮社
これ、ずっと以前にブログに書いたことがあります。
そしたら
ある生徒さんから
「ブログ見て素敵ー!と思って、
本を買って読んでみたのだが
素敵だったのはこの一文だけで、
あとは全然わかんなかった!」
と、よもやのクレーム。
す、すみません。
ぺこぺこ。
今日の単発レッスンにいらしてくださった皆様も、
本当にありがとうございました。
お疲れ様でした。
今日はこのブーケ納品が10時30分、
14時からこのレッスンもあり、
その間をぬって明日の制作もあり、
万一、仕入れに寝坊したら
にっちもさっちもいかないスケジュール。
しかし自分は朝が弱い。
とても弱い。

分刻みの目覚ましをかけて、
なんとか起きるものの、市場でぼーっとしているのは
ご容赦ください。
あまり自分から気づかずに申し訳ないです。
「せんせ!
ご無沙汰です!
・・・すごーく、ぼーってしてましたよ今」
と昔の生徒さんで今プロの方に、
肩たたかれて突っ込まれること、しばしば。
なんだかいろいろすみません。
ではみなさま、今日も本当にお疲れ様でした。


