どんなお写真か、お分かりでしょうか?
はるばる九州から、この日のために参列してくださった、おばあさま。
お体の具合もあってご列席は難しいけれど
その可能性を少しでもあげたい、できることなら式に参加してほしい。
その一心で、気候のよいこの時期に結婚式をあげることにしたのだと、
後のメールで伺いました。
そして、そのお気持ちは、かないました。
帰りの電車の中、ステッキに
当日のナフキンフラワー(4人分)をつけて
お持帰りくださっている、おばあさまの笑顔。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分の祖母ながらとってもおしゃれでかわいい祖母なのですが、
本当にお花がよく似合うので、彼女だからこそ杖にお花の装飾が
あってもおかしくない、といいますか、とにかくとっても愛らしく、
私の中でヒットしている写真です。
「こんなに奇麗なお花がたっぷりの結婚式は初めて。季節にも
合うし、かわいらしいし、珍しい形ね。あまりにかわいいので
杖につけてみたとよ。(※九州の方言です)これで宮崎まで
付けて帰って大切に保たせるからね。」とのコメントでした。
たっぷり水を含ませたティッシュでしっかり巻いて…、と
挙式の夜に色々と工夫して付けたそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新婦様からのメールの抜粋です。
私は、自分の仕事の花のその名残を自分で見ることは
なかなかできません。
最高の状態でお出しできるように、直前までせっせと心をくだいても、
お渡ししたその先までは見ることができない。
なのでなおさら、新婦様や新郎さまが送ってくださる、
「花のその後」のご報告には、いつも心を動かされます。
自分の手を介して誰かの手元に行った花は
必ず無くなってしまうものにもかかわらず、
こうして人の記憶となって、生きることもできる。
こんなに、有り難いことはないです。
私がこの先、もし仮に花の仕事ができなくなっても
このお写真を忘れることは、きっとできないと思います。
きっと生涯、覚えている写真のひとつになるだろう、
そう思います。
ちなみに当初、ナフキンフラワーは時節柄スズランにするつもりでした。
でも市場でよいものが十分に見つけられなくて、
それで写真のバラ「Jアイマール」に、ストライプのリボンをあしらうことに。
結果、よかったのかもしれません。
スズランでは翌日こうしてまではもたなかったかもしれませんから。
・・・最終回と銘打ったのに
まだまだ続きます。
ではまた、今日も一日お疲れ様でした。

