「大森めぐみ教会」、というのは、
東京都大田区、「大森」という場所にある、
プロテスタント教派の古い教会、その名前です。
窓にも、何か少し花を飾ってほしいというのは
新婦様たってのご要望でした。
その教会併設の幼稚園を卒業されて、
そしてまたずっと教会に信者さんとして
通われているとのこと。
窓、というものは、
いつもちょっと不思議な気がします。
此処と向こうをつなぐ、空間の一片。
ひとかけら、古びた窓枠に切り取られて
わずかに、しかし伝えられる、確かな光。
そのシルエットが、その教会に備えられた
ステンドグラスみたいにもなるといいなと
思いました。
飾ったのはマダガスカルジャスミンの鉢と
アケビと利休草とりんご、ブルーベリーの実。
でも、実は花のデザインは妥協しました。
本当は、マダガスカルジャスミンの鉢から
そのつるを切り取って使えばたぶんもっと
バランスをよりよくできたと思う装花。
けれど、新婦様が幼い頃から通われた教会。
挙式後に、教会の方や参列された方に差し上げたい
というご要望を考えました。
だから、鉢からそのジャスミンのつるを切り取って、
ただ2時間だけのために、デザインのために飾るよりも、
その鉢ごと列席してくださった方へあるいは教会の方へ
お渡ししたい、と思いました。
そしてもしかなうなら、毎年これからその方の手元で
咲くといいなと思いました。
一会、というこの小さな花屋が買っていただきたいのは
花ではなく、デザインではなく、今日この日の満足、
できれば、これからの記憶になるような。。。
そんな花を売りたい。。
今日たまたま、一年前の新婦様から
「一周年の記念に写真を撮ったので」、そういって
お写真とともにメールをいただきました。
まだお返事は書けないのですが、何度も見てしまいます。
嬉しくて、何度も見てしまう。
今日最後の写真は、今週後半に続いた
ユリシリーズの締めくくりに、
祭壇とバージンロードに飾ったユリの花を。
今日手伝ってくださったアシスタントみなさんの
おかげで、その場で活けました。
時間がなかったら最初からスポンジに挿していこうと
思ったのですが、スタッフのおかげで
その場で存分に水にいけることができました。
この花も、ただひとときの花なので、
できれば環境問題上、スポンジを使わずに、
そして可能な限り大きくどんと生けたかったのです。
ありがとうございました。
では皆様、今日もお疲れ様でした。
もういちど、ありがとうございました。



