
磨かれたノブを備えたその古い木製のドアには
小さな格子窓があって、
その窓にあうように枝を組んでリースをつくります。
翌日のパーティでも使いたいから、
というリクエストで、
アジサイはプリザーブドフラワー。
下の黄色い小花のメラスファエルラと、
長く揺れるように垂らしたクレマチスのつるだけは
生花です。
水を嫌うプリザと、水を好む生花とを
混在させるのは、どこか禁じ手のようにも感じつつ、
逆に、たった数時間のウエディングの花だからこそ
できることかもしれません。
中庭に置かれた小さなテーブル。
その上に、少しアンティークなブリキの器に
クリスマスローズと、くすんだ色の花。
こっちもメラスファエルラ!の呪文をとなえています。
はじめてコメントをくださった方も
いつもコメントをくださる方も
お会いしたことはないしこれからも
お会いする機会はないかもしれませんが、
でも今日もありがとうございました。
ウエディングの仕事は春と秋がピークです。
いつも、毎年、大変大変と騒いで愚痴をいって、
そうしてある日突然、
修羅場モードスイッチが入り
ギアが上にあがって、
ハッピーホルモンと
ドーパミンが出て、満足です。
やっぱり花を挿すのが一番楽しいっすね。
というところに落ち着くのでした。
ダメだったら掃除でも弁当売りでも
なにをやっても食べていけるし、
と、腹をくくってはじめたこの仕事ですが
やっぱり今更カタギな事務職などには
戻れないような気もします。
そのうち自分でなにか花を一本植える。
私が植えたのは一本のマキギヌだった。
そのとき指のどこかに傷をしていて、
そこからでもはいったのか、
とにかく血液の中に少量の土がはいりこんで、
一種の中毒、あるいは炎症を起こした。
つまり園芸熱というやつにかかったのだ。
カレル・チャペック『園芸家12ヵ月』
とはいっても、そんなに労働好きというわけでも
ないので、そろそろ温泉に行きたい。とも思います。
モダンインテリアでなくても
デザイナー浴衣が選べなくてもいいし、
アワビや伊勢エビが食卓にのぼらなくてもかまいません。
でも源泉かけ流しであることは必要最小限の前提として、
極力、加水も加温もなく、
できれば、湯量が湯船に見合う量で、
たとえば毎分200l以上で、
かなうことなら自家源泉で、
それが2本以上あればなおよく、
欲をいえば自然湧出であれば、
もうなんにも文句はいいません。
・・・で、ゲンセンカケナガシって、
つまり何なんですか?
と聞かれたら、ええと話は長くなるけど
語ってもいいですか?・・・えんえんと。(実話)
ではみなさま今日もおつかれさまでした。

