シェ松尾天王洲倶楽部様の
らせん階段に飾った、紅葉の葉。


風にはためく万国旗みたいに
たくさん、たくさん。

たとえきれいな花の仕事でも、
毎日やっていれば、
どうもいまいちな日、というのもあります。

道端に空き缶が転がってたら、
思いきり蹴って、
はずみで自分のもひとつの膝も一緒に蹴って
あたたたた、というような。

泣き面に蜂というべきか、
「やってられっか!ばーん!ちゃぶだい!」
と言いたいのに言いきれない自分にさらにめげたり、
「ああもうつくづくなめられてるな自分」、
ということに気づいてさらにハラがたったり、
そういうことばかり、
嫌がらせみたいに重なる日。

しかしそういう日の最後でも

こうやって写真を見ていると、
この日このとき、カメラをかまえていたら、

写真撮影中だったご新婦様が、
カメラを構えたこちらに気づいて、
ぱたぱたぱたと
手をふってくださったこと

を、思い出して、

「お花、かわいいですねー!」

喜んでくださった笑顔を思い出して、

・・・
・・・
で、
それだけで、報われてしまう。

え、それでチャラ?
お手軽すぎだぞ自分。

と、思うけれど、
でも、やっぱりそうです。

まあいいや。

この日の花嫁様の笑顔にまさるものは
やっぱりそんなにはないのです。
白旗です。

どんなに大変な日常も
瞬時にそれはただの日常にしてしまう、
ほんの瑣末なことにしてしまう、
花嫁様の笑顔には、かないません。
どうやっても。
どんなことでも。

では、みなさま今日もおつかれさまでした。