夜明け前とも日暮れ間際ともつかない、
向こう側の雲の色のような不思議なバラは
サーシャ、といいます。
その色に加えメマイがするほどの香りで
一番好きなバラのうちのひとつ。

で、且つ、

たくさんは出回るバラではない。
いつもはいい値段で、見るたびに諦めるので、
お手頃だと思わず無意識に仕入れてしまうという
自分にとっては、市場の地雷のひとつ。

罠です。
どぼんです。
しかし
「こんな罠なら落ちてもいいぜ」とか
30円くらいの安っぽいセリフを書いている場合ではなく

お届け先は、ラビュットボワゼ、という
自由が丘の一軒家のフレンチレストランです。
手のひらにのるような、
小さなゲストテーブル装花。
小さ目ですが、このあとにグラスやバター皿が並びますので
ここらへんが限界。

この2枚目と3枚目の写真は、
一会の登録アシスタントである
奥沢マダムさんがお届けを請け負って、
その場で撮ってくれました。

ものすごくどうでもいい情報ですが
一会のアシスタントさんには各々にコードネームがついておりまして
この方の場合、ええと、奥沢のマダムだから。
・・・そのまんまじゃん!

でも、一会のアシスタントになるために
免許をとって運転の練習をしてくれた、という方です。

自分は頭があがらないな、と思う。

4月の新婦様、5月の新婦様、
ギフトを送った方から
メールをいただきはじめました。

どんなにか、その言葉が有難いか、
たぶんこのブログで一番多く繰り返してはいることですが
でも何度でも何度でも何度でも繰り返して
伝えたいので、また書く。

「お願いしてよかった」
それがたったひとつの、自分には最大の報酬です。

ちなみに一昨日くらいに書いていた
受胎告知というのは
この冬にいったフィレンツェで見た絵のひとつです。
寺院の階段をのぼりきった
狭いスペースにあるので、
次の見学者の邪魔にならないように、
何度か離れてはまた戻りおよそ1時間か2時間。

で、それが何の役に立つのかというと
かなり微妙ではあるのですが
それを花の役に立てようなどという
だいそれたことは、さすがに今は思わないのですが
これから10年かけられたら、なんか役にたつかも。
というだいそれたことは、少し思う。

10年前、自分はほんとに花で食べていけるかどうか、
かなり微妙だったので、それを思えば
10年間こうして必死にこんなにきれいな絵を見ていたら
少しは、自分の目の奥に、細胞に組み込まれて
それが最後に、この手になるといい、
そう思います。
そういう夢。

では皆様今日も本当にお疲れ様でした。