シェ松尾天王洲倶楽部さまのメインテーブルの装花です。
白とベージュ。

お仕度が上がったばかりのお二人が、
カメラマンさんとビデオ屋さんとプランナーさんとヘアメイクさん、
たくさんの結婚式にかかわるスタッフに見守られて
最初の写真撮影が始まります。

結構、昔にやったデザインだけれども
お二人が気に入ってくださって
なんだかとても嬉しかったです。
「花嫁さんかわいかったねえ」と
しみじみしながら、
帰りの車の中でさえ、スタッフに賛同を求めてしまいます。
なんかもうおばあちゃん化現象進行中。
(昨日の花嫁さんの写真とかね、
自分のブログなのに見るたびにああ素敵、て思うわけですよ。
なんかこれを更新するのに忍びなくて、
もう少し見てたいと思う)

階段装花をせっせと活けていると、
参列されるご親族のおじさまが、おそらくは手持無沙汰に
その様子を眺めてくださっていて、
「これはさ、今日の結婚式のための花なの?」
と尋ねられます。
その時自分は、ユーカリの大枝に
雪が降り積もるかのように
雪柳の花を添えたくて、精いっぱいで、
ええそうですと笑顔でお答えする以上の
気の利いた返事ができなくて、
それがちょっと心残りではあります。
自分はそこに花を添えることしかできなくて、
なので、その日最初の写真撮影にちょっと緊張気味のお二人に
少しでもリラックスしてほしい気持ちもちょっとあって
プロのカメラマンさんの後方から満面の笑みで
そっとお二人の写真を隠し撮り。
自分は、なんでこんなに花嫁さん好きなんだろ?とは思いますが
それは、自分にとってはいわゆる
これが生き甲斐だからなのだろうと思います。
何かを好きになることは偶然ですが
何かを好きでい続けることには少しの努力がいります。
こんなに広い世の中というのに
心から好きになれるものは意外に少なくて、
だから、運よく偶然に好きになれたものを、
ずっと好きでいたいので、
そこからは自分の意思で。
毎週毎週、早起きして市場用の
ダースベイダーのコートを着込みながら
昨日の悔恨を打ち殺して
あほか、と自分にうんざりすることばかり。
ばかものよ。という、有名な詩の最後を思います。
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ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
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「自分の感受性くらい」 茨木のり子
http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/shisyu.html
多分この歌は好き嫌いが多くって、
こういう正論とか上から目線はキライ、という意見も
今は、そうなんだろうなあと思う。
しかし弱さを振りかざして
だからしょうがないじゃない?と開き直るよりかは
なけなしの矜持をはたいてでも保とうとするほうが
多少労力がいる、と思います。
どっちが大変かって言ったらそれは後者でしょ。
どっちが楽かっていったら、それはたぶん前者でしょ。
「私は弱い、だからそんなこと無理!」と
さけぶほうが、
ひとつひとつ自分の短所をつぶしていくよりかは
少し楽です。
・・・しかし心が潰れない程度に、ご自愛を。
心の芯が折れた時は
諦めて別の方向を探すか
ちょっと休んだ方がいいと思います。
そういう両極端を行きつ戻りつしながらも、
自分の感受性くらい、
という茨木先生に、迷っても結局、最終的には賛成を一票。
目標、というべきでしょうか。
では、今日も皆様本当にお疲れさまでした。
寒さ厳しい日々がつづきますので
どうぞご自愛のほどを。
でも自分は結構、冬が好きです。
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