「空気感のある感じで」。

それが新婦様からのリクエストでした。
淡い色で、あとはおまかせとおっしゃってくださったので、
ひとつだけ、ハロウィン:中央のシックなバラをいれることだけ
ご了解をいただいて、
そしてガラスの器をたくさん並べ、
たくさんのバラを使って、涼やかなイメージにしました。

画面やや右下、不思議な色と形の実は、「かりん」です。
入荷後、ここ数日一会へいらっしゃる方は皆、
「これって、何ですか?」とたずねられるので、
先手をうってご紹介を。

実は、今日、このご新郎新婦様には
最後までたいへんお気遣いをいただいて
にもかかわらず私自身が最後に直接ご挨拶できなかったので、
せめてブログに写真を掲載して、その記事のご報告とともに
「今日はありがとうございました」と申し上げたかったのです。

すると、エキサイトブログで写真がアップできないいつもの不具合。
しばらくすると復帰するのでその間たまたま隣にあった
「折々のうた」をちらっと見たら、
開いたページにこの歌が。
わ、これはすごいかも。
と一人感動したのでこちらもご紹介を。

 榠樝(かりん)と座す 少し傾(かし)ぐは 相似たる

                          加藤楸邨

(難しい漢字がいっぱいでIMEパッド大活躍です。
ていうか「かりん」てこんな字なんだとは、知らなんだ・・・。
 ↑相変わらずモグリっぽいでしょうか)

解説は、

 (前略)
 この句は身近に「かりん」の実を置いて、一緒に坐っている気に
 なっているのだが、見ればこの実は片側に少しかしいで坐っている。
 なんと、この私と相似形ではないか。
 静物と人物との、思いがけないひそかな交感から、
 ほのかな笑いが生まれる。

 (大岡信 著 「新折々のうた2」  岩波新書1995年10月発行)

ということなのですけれど、
私がこの句を読みながら最初に思い浮かんだのは、
お会いしたときに感じた、
新郎新婦様お二人に共通する優しい柔らかい空気でした。

そのかもし出される雰囲気が、相似だと思ったのです。
そしてなお相似であることで倍になるというような・・・。

そこでブログにリトライするも、
まだまだ写真がアップできないので、
メールをぼんやり見てみると。
なんとその間にお二人から御礼のメールを頂いていました。

最初にご新郎様から、そして続けてご新婦様から。

そのメールを読んだ時の気持ちを
どうここに記したらいいのか、
書きあぐねて、
これはちょっとまた時間をおいて
記事にしたいと思います。

まだ、メール掲載の許可もいただいていないので
いずれと思いますけれど、
感謝をこめて、この場より御礼を申し上げます。

本当に、ありがとうございました。