ヘビーユーザーに認定をいただいたので、
アオキさんの手になるブラックベリーを堂々紹介!
三田、慶応大学の右隣にある小さなケーキ屋さん、
「とばや」さんへお届けしたアレンジです。
一会のある白金からほどなくの、この三田近辺には
毎週、定期的なお届け先がいくつかあります。
それは私が、一人で一会をはじめてすぐのころから、
御紹介が御紹介を頂く形で、
ほんとうに少しずつですが、オフィスの受付や
歯医者さんのカウンターへ、
欠かさず届けさせていただいてきた花。
でもこの秋冬のウェディングの受注さえ受付制限する中、
一会の仕事量が容量を超え、
ついに、ひとまず活け込みを休止せざるをえなくなりました。
3ヶ月前には、誰よりも自分が思いもよらぬことでした。
身を切るような気持ちで、勇気をふるって事情を説明すると、
誰お一人として、文句をおっしゃらないのです。
とにかく無理しないで、一会を続けてくれたらいいから。
遅すぎるぐらいだよ、賢明な判断だと思うよ。
配達が無理なら、花瓶を持って白金まで行くから。
一会の花が好きなんだから、他の花屋さんには頼まない。
再開できるまで待つから。
迷惑な、罵られて当然の、一方的な花屋のお休みのお願いに
こんな温かな言葉をかけていただけるなんて
本当に、思いもよらず、
今はただ、頭を下げるばかりでした。
『花時間』7月号(角川マガジンズ)129ページ
「アーティストのいち押し!最新花情報」
(写真:瀧岡健太郎氏 文・高梨奈々氏)
という企画で、製作させていただいたアレンジ。
銀色のお菓子皿を二枚重ねて、スカビオサの新種「ピンクシェル」を
ぐるりと挿して、上に載せたのはやはり
「とばや」さんのクッキーでした。
トシをとるにつれ、ケーキなどをだんだん食べなくなってきた自分ですが
「とばや」さんのお菓子だけは例外です。
その甘さはどこか懐かしく、あたたかな味がします。
心に糖分をもらうような、そんなお菓子ばかりです。
ちなみにこれからの季節はブドウゼリーと柚子ゼリーが
一押しです。とくに柚子ゼリー、絶品です。
食べるたびに思うのは、心が入っているお菓子って
ほんとに違うんだなということ。いつも、そう思います。
ちなみに『花時間』さんの同じページで
御紹介したひまわりのジョーカー。
こちらは草花園さんのもの。
同じくバラのヴェネチアンは、ファインローズさんのものです。
花を土から作る人がいて、それを楽しみに待つ人がいます。
その端境に自分がいることが嬉しい、この手で手渡せることが嬉しい。
それは今も変りがありません。
御不便をおかけするお客様には本当に、
なんて傲慢なことかと、心より申し訳なく、お詫び申し上げます。
でも活け込みのお休みをお伝えするまでずっと悩み苦しんだことも、
こんな有難い言葉をいただいて、
まるで本当に心に思いがけない砂糖菓子をいただいたような
そんな気持ちです。
今は、お礼の言葉を伝えるほかありませんが、
ありがとうございました。
では皆様今日もお疲れ様でした。


