25日に閉店する予定の、マリナドブルボン桜新町店様に飾った、
最初で最後のクリスマスツリー。
「天使をトリカゴにとじこめてみました~」と相変わらず能天気な
アシスタントうさぎの弁。
一生懸命によい仕事をすることと、
それが仕事として、きちんと成立することは
また別の話です。
一会は、花屋さんではなくアトリエなので、
完全に受注生産です。
最初に請けた注文の金額があって、そこから
器や資材や人件費や車や場所代の経費を差し引いて、
残りをすべて花の仕入れにあてます。
何度も電卓をたたいて、文字通り1円でも安い花を市場で探し歩いて、
少し安く仕入れられたら余った分でさらに買い足して、
新婦様や生徒さんに、1輪でも、多くの花を渡せるように。
少しでも満足を多くもらえるように。
そしてそれできちんと利益をだして、
スタッフにちゃんとお給料を払えるように。
それでも毎回のように、たくさんの花を捨てます。
新しい花が入ってくれば、そのメンテナンスをしなければなりません。
古い花のメンテナンスに割く時間も人手も、余裕もない。
毎日のように、切って捨てます。
それはどんなにときを重ねても、なれることはありません。
「いいよ、捨てて」。
アシスタントさんにそう言う一瞬の苦しさは、たぶん一生、慣れない。
これが花屋さんなら、お客さんに見てもらえる、せめて店のディスプレイになる。
そんな言い訳がたちます。
でも一会のような限られた空間、」マンションの一室での花のロスは、
本当にただ仕入れて、捨てるだけになってしまう。
これが趣味なら、新しい花をいくらでも使って、
時間もいくらでも使って、工夫を凝らして、好きな花を好きなだけ
生ければいい。
でも私は、仕事なので、食べていかなければならないし、
ここの家賃や車の経費もあるし、
アシスタントさんにもできることなら少しでも多い給料を渡したい。
わずか、1万、というお金を稼ぐために、切って捨てていく花。
しかししばしば、「花の値段なんてあって無いようなもんでしょ?」
といわれてしまったりするのでした。
「花屋さんて、儲かるんでしょ?」
と、言われるのでした。
「そんなに欲張っちゃだめですよ」
自分でも初心なことに、毎回、こういうせりふに
へこむのですけれど、これもやっぱり、慣れない。
花を好きでいることと、花を仕事にすることは、まったく別のことで、
でもそれは好きなことを仕事にする人が常に直面する
問題なのだろうとも思います。
とほほ。
ではみなさま今日もおつかれさまでした。


