すべてを、一会におまかせで。
お打ち合わせのとき、
シェ松尾青山サロン様、そのテーブルに着いて
おふたりに向かう私に、
そうおっしゃってくださったのでした。
なのに、その日はひときわ密なスケジュールでした。
花のセッティングに必死で、
いつも撮る装花の写真は、ほとんど撮れませんでした。

本当は、花の写真を記念に撮りたい。
でもここで写真を撮るよりも
その数分で、花をよりよくできるなら
数瞬迷って、いつも後者を選びます。
たとえばこの受付に撒いた花びらのように、
現場でしかできないこともたくさんあるからです。
ほとんど怒鳴るようなやりとりで、確認と修正。
せっぱつまってくる、あと30分、あと15分、あと5分。
そうして半年後、新婦様は、ひとりの生徒として
一会の単発レッスンに参加してくださいました。
私が、花の写真をろくに撮れなかったことを、
ずっと気にしていたことを、
まるでどこかで見ていたかのように
一枚のCDをくださいました。
今日はそのCDに入っていた、
お二人の笑顔だけで。
収まらない写真はもう一本だけ、別の記事にします。
昨日みたいに昼夜とレッスンをすると、
生徒としていらっしゃる皆さんが
あまりにきれいな花を作るので
もしかして、私は、自分で作るよりも
教えるほうがまだしも向いているんじゃないか、
と、へこんだりします。
でもこういう、現場の緊張の中で、
自分が届ける花、
そして新婦様の笑顔が欲しい。
では、みなさま、今日もお疲れ様でした。
暑さが厳しい日々、どうぞお身体に気をつけて。



