メモリアルテーブルと呼ばれる
大きなテーブルに、
ご新郎さまと、
ご新婦様と、
それぞれのご両親のご結婚式の写真。
お好きだというカスミ草をたくさん、
カラーの花もたくさんいれて
飾りました。
バージンロードのチェアフラワー。
つぶの大きなカスミを選んでいます。
引き立て役みたいに使うと、
どこか定番すぎる気がするので、
あまり他の花とあわせたりはしませんが、
私自身は、結構好きです。
かすみそうどっさり。
私が最初に花の仕事をしたのは
大学のころ、花屋さんにアルバイトにいったとき。
なにか、ちょっと変った仕事をしてみたかったのです。
そのあと普通の会社に就職して、
その仕事は営業で、それもそれはもう
せっせとやっておりました。
でもある日、あわただしい仕事のあいまに
地下鉄の構内で、花屋の女の子が
カスミ草の大きな束を水かえしているのを見て、
「あのカスミ草を抱えているのは、
どうして、自分じゃないんだろう」と
その日、突然、思ってしまった。
「あのカスミ草の束を抱えるのは
自分ではないのか」
それが、悔しいような、
不思議なような、
どうにも違っているような
気がしてならなくて、
そして、モノになるかならないかは別にして、
こんなに山ほど仕事するんだったら
好きな仕事をしてみてもいいんじゃないか、と
その日に、突然思ってしまったのでした。
あれから数年、あるいは10数年、
本当に食べていけるとはどこか自分でも
信じてはいませんでしたが、
そうして独立したときは必死でいて
どんなにそれが貴重なものだったか
そのときはわかりませんでしたが、
見返りも求めずに
力を貸してくださった皆様へ、
今、自分が、丁寧に仕事をすることが
ひとつの恩返しになるように。
ではみなさま今日もお疲れ様でした。
ありがとうございました。

