この日一日、
「そばにいてフォローしてよ」と
なかば無理やりに頼み込んだ
アシスタントナウシカさんが、
次の会場に向かうために、
私と一緒に走ってくれながら、
「すごく、一会っていうかんじの新婦さんですね!!!」と
言います。
一会らしい新婦さん・・・
「ブーケは、一会風で」とおっしゃってくださって
「花に力をいれたいんです、」とおっしゃってくださって、
半年とか数か月に一度くらい、
こういうお二人がいらっしゃいます。
一会の花で、結婚式をあげたいんです、
と、奇特なことをおっしゃってくださる方。
そんな大きなご期待に
どうかえしたらいいかというと
結局は、花だけです。
当日のご列席の人数はわずか10数名。
人数分をご用意したナフキンフラワーは、
それぞれの席札の間にはさみました。
実は、
そのナフキンフラワーは、
列席者全員の方のイスに飾った
チェアフラワーと、一対をなしています。
テーブルの上の装花からちょっとずつ花を選んで
5パターン作りました。
途中で、ゲストのみなさんが気づいて、
それを楽しんでもらえたらいいなと思って。
そしてつくる側の一会も、そのほうが楽しいから。
おんなじ花を、数十個、何百個と作るのは
在る意味苦行になってしまう。
でも少しずつパターンを変えて、
それに気づいてもらった時の
ゲストの方の驚き、
新郎新婦様にそれを伝えるときの様子を
想像しながら作るのは、
楽しみです。
頭の中で、
あるいは布団の中で、
あるいは市場で歩きながら、
何度も予想図を描いて
迎えた当日。
茶色と黄色のまじったコスモスみたいな不思議な花は
ガイラルディアといいます。
市場をうろついていて
3回くらいその前を行き来して、
そうして思わず買いこんだら、
市場の方が
「そう、オレこの花かわいいと思ってたんですよ」と言います。
「今日の中で一番と思ってたんすよ」
「なかなかでも売れなくて」
「いいっすよね、この花」
そう、いいっすよ。
この花。
思わずその両手を握りたいくらいでした。
ハイタッチしたいくらいでした。
ろくに言葉をかわしたことがなくっても、
そう、この花かわいいですよね?
だからとりわけたくさん話をしなくても
日頃とくだんに会話を交わさなくても
たとえ十分に言葉が通じなくても
花だけで、
通じるだけで、
ただそれだけで。
午後はパレスホテルからまた品川方面へ移動。
パスモをなくしてしまったと青ざめていると、
ナウシカさんが、切符買ってきますから!と
ダッシュして息をきらせながらなお
ああいう身内だけ集めた式で
まさに、アットホームって感じで、
ほんとにいいウェディングですよね!
私もああいうのがいい!
と演説しています。
演説しながら、電車の時間を確認し
降りる駅を確認し、ホームを確認し
ひとつ納品がおわって抜けがら化している私を
「こっちこっち」とひっぱっていってくれます。
一緒にいてもらってよかった・・・
とほんとに感謝しています。
では皆様今日もお疲れ様でした。





