東京築地にある、治作(じさく)という老舗の
料亭へ、お届けした装花。
(*2016年現在、装花のお持込はできなくなっていますので
ご了承くださいませ)

この日はこの秋一番の立て込み具合で、
早朝にセッティングに伺いました。
新婦様からいただいたコメントにもあるように
ご挨拶もできず、申し訳ありません。

このオレンジのベルのような不思議な花は
「ベッセラエレガンス」といいます。

ゲストテーブルには、
おふたりがご家族総出で折ったという折鶴を
一緒に飾る予定にしていました。

その日、市場で見つけて、
なんだか折り鶴に似合いそうだと思って、
その場であるだけ仕入れました。

「この花、なんて名前なんですか?」と
尋ねるアシスタントさん。
だからベッセラエレガンスだってば。

 「ベ・・・」
 「・・・ベッセ・・・」
 「ベッセラ?エレガンス?」
 「・・・なるほどー。」
 「ベッセラ。 エレガンス。」

まあ気持ちは分かるけど、皆で復唱すんな。

昨日の記事に書いたことは、
本心ではありましたが、今日は撤回します。

「満足をもらえる仕事をすることが、同時に
一会という花屋の利益にもなること。
だから存続していけること。

赤字にはしないことは、当然の前提である。

提供する仕事に一定の満足をいただけることも、
すでに、前提である。

そのうえで、さらに自分自身が
ひとつの卓上装花にも
満足できること、
その製作を楽しいと思えること。
それが今、目指すべき到達点ではないのか」

それは、この数か月ずっと考え続けてきた
結論のひとつでした。

一会という名前で花の仕事をはじめてから
8年たってやっとここまでたどりついた、
という気さえしていました。

探して探してやっと自分なりに出した答え。

昨日、この治作の新婦様からコメントを
いただくまでは、疑いもなく本心だったと思います。

でも今はあっさり撤回。

そんな自分の紆余曲折は本当にどうでもよくて
お二人からの「ありがとう」の一言が
やっぱりこんなに嬉しい。

やっぱり、これ以上のことはない。

10月ごろからいただいたお客様のメールには
お返事できておりませんというのは
以前書いたとおりです。

自分からはお礼のメール一本さえまだ出さないくせに
この日のこの新婦さんから、まだメールがこないなあと
指折り数えて、待っていたりします。

待ち焦がれていた
「花、よかったです」といただくメールは何度も読み返します。
また今週のおふたりに
喜んでいただけるような仕事をしようという
私の、確かな糧になります。

良い仕事をすることが
またご恩返しだと思うので、
嬉しいメールをくださったおふたりへ、
お返事は12月の半ばまで、どうぞご容赦ください。

12月15日の単発クリスマスリースレッスンは
閉め切りました。今回は6人だけで。
でも半分以上が過去の新婦様です。

これ以上のことはない。

といいながら案内が遅れておりまして
申し訳ありません。

では皆様、今日もほんとうに、おつかれさまでした。
本当に、ありがとうございました。