しづかなる心の燃えの幾日かみづから消してまた事もなし
山下陸奥
という短歌を、ずっと以前に掲載したところ、
見知らぬ方から
「探しても見つからないので、出典を教えてもらえないか」
というお問い合わせをいただきました。
MYアンチョコのひとつの「折々のうた」の一冊から
書き写したもので、
その山下陸奥という人の歌集のタイトルは、
「冬霞」だそうです。
というのをやっと調べて、
ようやく簡単な御返事を書きました。
・・・いい歌ですよね?
という気持ちを添えて。
「心の燃え」には、いずれにせよ青年期の激しさはない。
かといって諦めでもない。それはおのずと消えるのではない、
「みづから」消したのだ。
年をとるという事には、たぶんそういう時間の経過、
意志的な無表情の保持といった知恵も含まれる。
大岡信「第六 折々のうた」(岩波書店 1987年」)
31ページより引用しました。
この一会(いちえ)というブログは、
結婚式の花のブログで、
この記事を書いている私は、花の仕事が専門ですので、
俳句や短歌にとくに詳しいわけではありません。
そんなお問い合わせがあることに
びっくりして、嬉しかったです。
そうして私は、いくつも棚上げにしている
自分の専門分野に関するメールを思いながら、
「自分の仕事を優先するべきだ」と
思いながら、
ここ数日ずっと、「折々のうた」シリーズの
どこかにあったはずのこの短歌を、探していました。
そうして読むたびについはまってしまい、
つい御返事が遅くなりました。
きっとたまたま、このブログに行きあたって、
メールでお問い合わせをくださった遠方の方と
この先も会うことはないでしょうけれど、
今、このひとときだけは、
冒頭の歌で共鳴できるといいなと思います。
そう自分が書きたく、今日はこの文章を書きました。
では皆様今日もお疲れ様でした。
今日は、いい天気でした。
最近私がはまっているのは、
スワロウテイルと湯豆腐です。
