逃避している場合ではないのですが
逃避中です。
唐突ながら
去年の夏に行ったモロッコにいたカモメです。
なんでかというと
先日久しぶりに会った人が、
モロッコに行きたいという話をしていたので。

モロッコのカモメも
猫と同様に若干ガラが悪いです。
でも、モロッコですから。
「エキゾチック」という一言で
たいがいのことは許されます。たぶん。
しかし書きながら、
その知人がトリが苦手だということを
今更ながら、思い出しました。
そういえば自分が仙台から買ってきた
「カモメのタマゴ」の土産物のパッケージ(一面にカモメ)に
後ずさっていたこととか。

まるで嫌がらせなので、あわてて取り繕うために
魚の写真も載せておこうという所存です。
モロッコの中でも欧州に近い港町。
水揚げされた魚が地べたで売られています。
キレイ好きの人なら、眉をひそめそうな光景。

でも、鱗がぴかぴかと光る魚たちの
そのいくつかを指さすと
袋にいれてくれます。
そうして片隅にある焼き場へ持って行くと
その無骨な指で驚くほど器用に網につめては
次々と、

焼き上げて供してくれるのでした。
調味料は塩とレモンだけ。
希望すればパンとサラダもあります。
あとは手を拭くためのざらざらした
茶色の紙を少し。
春が近くなったんだ、という東京は、
今日は暖かい一日でした。
瞬間はその瞬間だけのもので
私はもうモロッコには、おそらく生涯のうちには行かないし、
仮に行くことができたとしても
あの日、焼き上がった魚を手に見渡したら
内地からきたというモロッコ人に手招きされ
傾いたビニールのテーブルに相席して
手づかみで食べた鰯やシャコエビは、
二度と味わえない。
格別の、思い出にはならなくてもいいのでした。
忘れてもいいこと。
でも自分にとってなんだか
幸せだった記憶のひとつです。
思い出は作らなくても
その瞬間で十分でした。
今日という一日を
またお疲れ様でしたとひとつ夜中にくくりをつけて、
今宵はこれにて。
書きたいことを書く、というブログにしておりまして
わざわざこんなところまで読んでくださって
申し訳ない次第ですが・・・お疲れ様でした。


