なにかというとこないだの冬の、
フィレンツェです。
また自分でもよくわからないながら
池の中の雲を撮りたかったみたいです。
8月25日木曜日から29日月曜日まで、
夏季臨時休業とさせていただきます。
メールのお返事が遅くなりますので、ご容赦ください。
今回はベトナムへ。めずらしく「まとも」&近場ですが
決定が出かける一週間前、という新記録ゆえ
予算的に、ここらへんが限界でした。
本当は、気持ちはかなりスイスに傾いていたのです。
友人のOさんがチケットをくれた
この夏のクレー展が面白かったので、
よし、ここはスイス・ベルンのクレーセンターに行こう!と。
折しもスイスには知人Aさんが滞在中で
蠱惑的なお誘い:
「今年はぜひアルプスへ!
一緒に乳搾りしてチーズ作ってワイン飲んで
藁の布団で寝ーましょ!」(←誇張&願望込)と。
しかし、なんだかんだと日程の調整に手間取り
高い航空券しかとれなくなり、スイスは断念。
で、紆余曲折し一時は休暇自体を諦めかけたのですが
ここで休まないと、この秋冬をとても乗り越えられないし、
えいやと思い切って行くことにしました。
一会の内情を知る方には鬼畜と指さされる所業ではありますが
そのために打ち合わせも下見も
前倒しで8月前半にせっせとやって、
アトリエのお掃除準備も着々と
アシスタントさんに仕込んでもらって、
ベトナムでかわいい雑貨を仕入れてきますので、
見逃してください。
心象心理としては今こんなかんじです。
彫刻というのは自分には
相当に未知の芸術で、敬遠しておりましたが、
そう、今はこんな感じです。
・・・いらっとして蹴りたおしてくださって
かまいません。当然です。
景色を蓄えるというのも、確かにありますが
自分はまるでPCみたいに、
たまに電源を全部落とす必要があるのです。
独立したころ、
休むことが怖くて不安で、
休まずにずるずると働いていたら一度、ばっきり
心棒を折ったことがあります。
今もよく覚えている光景が記憶にあります。
午前中は神田か御茶ノ水、都内逆側で打ち合わせ、
午後は予定はないけど
事務所での仕事は山積みという日。
でも帰ってきても駐車場に車を停める気になれなくて、
じゃあ、仕事先にこのまま顔を出そうかなと思うものの
どうしてもそんな気になれず、
じゃあ、本屋に行こうかと思っても
(その頃最大の気晴らしだったので)それもできず、
どこにも、停められなくて、駒沢通りと目黒通りを
何度も何度も往復。
一日の外食費はMAX200円までと決めていたので、
せめてドトールでコーヒーを買う?
コンビニで飲み物を買う?
そう、思っても、なぜか車を停められない。
車を停めたら、次に何かをしなければならない。
でもなにもできないし、したくない。
ぼんやりしながら、どうしてもその
「次のこと」ができなくて、したくなくて、
ただ都内をぐるぐると走っているうちに
大粒の雨が降り出し、すごい夕立になりました。
その雨の中をますます停められないまま
ぐるぐると、
今思えばやはりどこか変だったんだろう、と思うけれども
その時は、変なことが
自分ではわからなかった。
気付くと夕立があがっていて、
そうして空には、二重の虹がかかっていて、
その景色に、救われました。
だから、虹でも雲でも空でも星でも、
地平線でも水平線でも、
数千年前の人が水を運んだ跡でも、
数千年後への人が存続している希望でも、
なんでもいい、なんでもいいけど
でも時々ちゃんと、そういうのを見ながら休まないと
自分は壊れた機械のように
ぐるぐると同じところをまわってしまうのだと。
悪評高いレグザフォン並みに、再起動が必要なのだと。
声高に主張したいわけです。
まじです。
(写真のフォルダには出雲崎とあるので
たぶんそのあたりの写真かと思います。)
ご不便をおかけしますが
どうぞよろしくお願い申し上げます。
旅せんか 都忘れの 咲くころを
作者は忘れたのでまた明日。
つーか都忘れの咲くころとかは
この仕事をしてたら旅はできないのですけれども
そこはそれ、機微をかみしめたいと思うのです。
ではみなさま、お疲れ様でした。



