このひらひらとしたバラの名前は
クレメダンジュ、といいます。
天使のクリーム。
一品種しか使っていないのに
こんなに贅を尽くした感のあるブーケになりました。
山口、アリアローズプランニングさんから
サンプルとしてどっさりいただいたのは今週のはじめ。

修羅場モードなのにこういう
とびあがるほど嬉しい出来事に弱い自分、
うっかり、ふらふら魅力に耐えかねて
クレメダンジュだけのブーケに仕立ててみました。
ほんのりとしたピンクグレイ、
まるで本真珠のように、華奢で上品なのに贅沢。

花そのものは中輪で
ものすごく存在感があるというわけでもないのに
挿していると、酔うほどにたゆとうほどに豪奢、という
とても不思議な魅力のバラです。

ていうか、今まで自分が見た
クレメダンジュとは違ってこの花弁の多さといい
花の大きさと色の美しさといい、
同じ品種でも生産者の方によってこんなにも花が違うんだ、
とあらためてびっくりしています。

アリアローズプランニング
http://www.aria-rose.co.jp/

華奢に広がっていく花弁がためいきをつくほど
素敵なバラなのですが
これまで、自分には
咲きが早くて花びらが茶色くなりやすいなあ、という
イメージがありました。
最初の一枚目だけは、おそらく輸送中にぶつかっていたんだのでしょう、
茶色い花びらがありましたが
丁寧にそれをとりのぞいて作ったブーケはそのあとずっと
きれいでした。

送ってくださったのは月曜日、
火曜日にブーケに仕立ててそこから2日経った今日も
茶色い変色はほとんどありません。
すばらしいぜクレメダンジュ!
さすが天使のクリームだぜ!
と思わず拍手。

アリアローズプランニングさんによると
山口、湯田温泉には
イブピアッチェとシャラパール(どちらも超高級バラ)を
浮かべた足湯があるそうで、
な、なんて贅沢な・・・と絶句しております。

花びらじゃなくてごろんと花ごと浮かんでいるのだそうです。
あ、ありえなくね?

一青窈さんも絶賛したというその足湯に
ここはひとつ、行かなくちゃならなくね?と
若者言葉で、修羅場モードから逃避を企て中なう。

湯田温泉といえばですね(だんだん!演説に入る。
ここで机をたたいてよかですか)
中原中也の故郷なのですよ。

 これが私の故郷(ふるさと)だ
 さやかに風も吹いている
      (中原中也 故郷・・・ちょっとうろ覚えです) 

昔むかし、実は湯田温泉に行ったことがあります。

萩と一緒にめぐってあまりによかったので
翌月にもう一度夜行バスで行ってしまいました。
という、ただでさえ旅おたくの自分にも
さらにちょっと特別な地であります。
中也の詩を掘り込んであるマンホールのふたの写真を
わざわざ写真に撮った記憶があります。
おたくって怖いです。

しかし駅前の巨大な白狐は今も健在なのだろうか。
ちなみに萩もいい街なのですよ。
七曲りの城下町、萩城、小さな街に
山も海もあって、五重の塔は美しくて、
その浜辺で見る波はどこか硬質で
金属のような波音がします。

そんな、不思議な場所でした。

・・・は。
やや正気にかえりまして
アリアローズプランニング様には
ここから深い感謝を申し上げます。

本当にありがとうございました。

生産者様の皆様へ、
サンプルを送って下さる場合には
かなうかぎり、ブーケなどを作りましてお写真を撮り
お送りさせていただきます。
なお、事前に一言到着日を確認くださいますと
安心です。
この通り旅おたくなもので
「365日24時間、自分は仕事しかしておりませんよ!」、
というこのブログは
実は建前でして、皆様の目を盗み
一泊一日でふらりとどこかの温泉に出かけていることもございます。
せっかく極上の花材をお送りくださるのでしたら
この日この時間ならブーケを作れますよ、というお打合せが
事前にできましたら幸いです。

しかし、このブログをへらへらと書き続けていることが
こうして思いもよらぬ嬉しいご縁をいただくことにもなる、
それについては感謝の申し上げようもございません。

では皆様今日もお疲れ様でした。