東京ミッドタウン1階にある、
「ナプレ」様、イタリアンレストランにお届けした
ウエディングパーティの装花です。

海のイメージのウエルカムボード、
淡いイエローのテーブルクロスにあわせて。

ブーケはスズランを、というリクエストでした。
ブーケの予備に仕入れていたスズランを、
最後に会場装花にたしこんで、完成させました。

ブーケはスズランを、というリクエストでした。
そのほかブライズメイド用に、お揃いで大小2つを、
ということで、合計3つのスズランのブーケ。

ブーケにはスズランを、というリクエストでしたけれども、
実はそろそろスズランは終わりの時期でした。

もしかして入荷しなかったり
入荷してもよくなかったりした時のために
いくつか代案をいただいておいておりました。

 「ライラックでもジャスミンでも、
 どうしてもなければカスミソウでもOKです」。

でもきっとスズランがお好きなんだよなあと思っていて、
できればスズランで作れたらいいなと思っていて、
市場の人と夜中に電話でやりとりして
水曜日にも100本ほど買っておいて冷蔵庫で保管して、
そうして無事、直前の仕入日である金曜日に
入荷できたスズランで、
これも予備に買っておいたライラックの花を混ぜながら、
ブーケを作りました。
スズランとライラックとが重なりかもしだす
いい香りで、作っている間は至福でした。

装花セッティングの最中に、
新郎新婦様が到着したので、
スズランを水から引き揚げて、よくぬぐって渡したつもりだったのに
ぽたり、と,しずくが垂れます。

 どうしよう、茎の水をぬぐうのが不十分だったんだ、
 ドレスにしみがついてしまう、どうしよう!

パニックになりながら新婦様を見上げると
大きな瞳から大きなしずくがぽたぽたと落ちていて、
ブーケから垂れた水だと思ったそれは、
花嫁様の大粒の涙でした。

「スズランが・・・」とおっしゃる新婦様に、
自分も返す言葉が見つかりませんでした。

もう10数年この仕事をしているのに、
自分がその時、すっかり動揺してしまったことが
今、こうしてブログを書きながら振り返ってみると、
ほんとうに悔やまれます。

「ハンカチをお取りしましょうか」とか気の利いたことひとつ
言えなかった自分を、けとばしてやりたい。

ただ、その場を離れて
装花にもうひとつ手をいれて
よりよくすることくらいしかできなかった、
もうちょっとなんとかなあ。


お揃いのブライズメイド用のミニブーケを
握り締めた女の子は、
未来の花嫁様のような緊張した面持ちでした。

おふたりの、幸多い未来を
今日、心からお祈りいたします。
装花が終わってしまった今日、
ほかには今もう何もできないので、
ただ心から、お祈りしています。

本当にありがとうございました。

今日は、軽井沢にもブーケを発送し、
お支度中の新婦様から「すっごくかわいいです!」と
携帯メールをいただきました。
きっと私が祈るような思いでじりじりと待っていたことを
察してくださった、お気遣いのメール。

こちらのブーケもまた後日。
こんなブーケを作らせてくださって、
一会に頼んでくださって
本当に本当にありがとうございました。
と思う、いいお仕事でした。
ありがとうございました。

では皆様、今日もお疲れ様でした。