シロツメクサのような小さな白い花が
野原の中に咲くように、
そこにウサギが遊んでるように。

ほんとは全部シロツメクサみたいな千日紅の白にしたかったけど
あんまりよくなくて、かわりに市場でどっさり旬のスズランが出回っていたので、
どっさり、仕入れました。


飾り付けながら、
何度も後ろに下がってバランスを見ていると
ご親族のおじさまが、「この花はなんて花だい?」と
尋ねにいらっしゃいます。
鈴蘭だと伝えると、「ああこれがそうなんだ、はじめて見たよ」
そうおっしゃいます。
たくさん絵に描かれて
たくさん写真でみることはあっても
実際にスズランという花をまじまじと見る、
そんな機会は男性にはあまりないことかもしれません。

しかし、ほんとにそうかというと
この時期花屋の軒先にはよく並んでいる花ではあるし
あるいは北海道あたり、
ゴルフに出かけた足元に咲いてたのかもしれません。

でも、たまたま、
今日は、結婚式だったから。

年配の男性の方が、
生まれてはじめて、
「俺、スズランという花をちゃんと見たなあ」
というような、
そういう結婚式の花を、活けたい。
と思います。

「シロツメクサが咲く野原」、という
花嫁様の気持ち。

ぐるりいっしゅうまわって、 それがご列席の方に届くような
そんな花を活けられたらと思います。

では皆様今日もお疲れ様でした。