最優秀賞、今回はこのブーケ。
4月の一会定期レッスンのテーマはバラのブーケ。

王道だけに、奥が深い。
って毎週ブーケを作っていて毎週思う。

とはいえ、選ぶポイントは私自身の今の気持ちに
結構左右されます。自分の拙い写真によるよしあしも大きいです。
でもひとつの絶対の基準はいつも、
心が動かされること。


ものすごく形がきれいであっても
どんなに素晴らしい花を使っても
見ていてちょっと乗り出してしまう花は、


いつも心が動かされる花です。


それが、その人だけが作る、花の魅力。
その日、一度だけ出会える花と、その花で作るブーケ、
そして作り手の自分。

たくさんの毎日の中で、その1日、こうだったという証のような。


生徒さんには自分で花を選んでもらい
自分でスポンジなどを用意してもらいます。


ほんとは最初から全部使う用具もワイヤーも
用意して、さあはじめてと言えたらそのほうが実はらくちんなんだけど、
たとえば各自で「スポンジカットして」と言ったら
みんなそれぞれ失敗して、大量のロスが出ますけど、

でも、こういうことから自分でやらないと、
結局、加減がわかんない。


それぞれの花に見合う花瓶を用意するのも
全部自分でやってもらいます。
花の居心地を整えることさえできなくて、
何の花を作ろうというのかと。

出来る人ほど、上手な人ほど、
ブーケを作り終わった時にはきちんと机が片付いてて、
言われずともあたりを掃除して、
前回使ったセロファンをきちんと持ってきて、
使った輪ゴムまでそろえてくれます。

美しい所作が美しいブーケになる。

花を作っているけれど
作っているのは花ではなく、
今日という自分自身。


机を掃除しているけれども
掃除しているのは今日の自分の、
考えすぎて迷ってるアタマと心。


前回使ったセロファンを丁寧にまた使う、
それは先月の自分の勉強を、今月また丁寧に取り扱うこと。


傍目にはただの花のレッスンで、そこでは
花というものを扱っているけれど、

それは確かに目で見ても手で触れても
たしかに花の形をしているけれど、

それは、花ではないんです。

花の形をしているけれど、花ではない。
それは
今日という、あなたの形。

長い人生のたった一日の、今日。
かけがえのない、たった一日の自分自身です。

きらきら光る、手のひらの一粒の砂金のように
それは今日も、自分の手のひらにあります。

ていうような、レッスンをしたいんだよなあ。

講師は欲が深すぎでしょうか。

でも本音いうと、皆がうますぎると困るのです。
花嫁さんが打ち合わせに「こんな感じが素敵です!」って
このレッスンのブーケ写真持ってきちゃうんだよね・・・とほほ。
まだまだ精進が足りません自分。

では皆様、今日もお疲れ様でした。

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