うろ覚えのままで恐縮ですが、
カレル・チャペックの「園芸家12ヶ月」の中に、
客人が、ある庭園に招かれて
その見事な芝生を羨ましがる話がでてきます。
どうしたら、こんな見事な、目のつんだ、
非の打ち所のない美しい芝になるのでしょう?
そう問われて主人は、簡単ですよ、と答えます。
毎日水をやって、伸びすぎた芝を刈って、
丁寧にローラーでならすんです。
それだけです。それを100年繰り返せば、あなたの庭も同じ芝になりますよ。
そんな話だったと思います。
私が一会をはじめてから、たぶんこの秋が、
一番のピークです。
もう自分の目の届かないスケジュールになったら
それ以上の仕事は勇気を出して断ろうと決めた今も、
人手が足りるか心配で、もうすこしだけとリクルートをしています。
そうしていろんな人と話をします。
働き方は人それぞれです。
働いてみて、ブライダルの花という
プレッシャーをはじめて身にしみて感じる人もいます。
意欲はあっても、今、もっているものが多かったら、
身一つですべてを仕事に注げない
ジレンマもあるかもしれません。
でもたぶん、「時間はかかるだけかかるもの」で、
そういう人にしか挿せない花もきっとあります。
きっと、みんなそうです。
その人にしかできない花が、
今は手がおいつかなくても、
目がおいつかなくても、種はその人の中にあって
いつか、文字通り花ひらく日がくるような気がします。
毎日水をやって芝を刈れば。
それを100年、諦めずに繰り返せば。
私は、とても恵まれた環境にいて
自分のもつものを全部仕事に注ぐことができました。
でもそれは裏をかえせば、
そうしなければ続けてこられなかったという
自分の非力さの証です。
もっと簡単に同じことが出来る人もきっといます。
隣の芝はいつも青く、
でもそれは隣人の芝で、
自分は自分の芝を耕すしかありません。
と、頭でわかっててもどうしても比較しちゃう時も、
それはやまほど、あります。
でもいつか自分も100年かければ自分の芝を
自分の花を、この手で作ることができるかもしれません。
あるいはそう信じることが
結局は答えなのかもしれません。
今日は個人的な応援メッセージもかねてでした。
ではみなさま、今日もお疲れ様でした。

