「ミャンマーは、どうでした?」

と人に尋ねられるたびに、
「いいところでしたよ、のんびりしてて」
という言葉だけを、まるで壊れたみたいに
一生懸命繰り返しています。

 「予想以上に、いいところでした。」

何がよかったの?と問われて思い出す、
人々の、はにかんだ笑顔と、寺院での光景。

この写真は、有名な仏教寺院のひとつ。
その芳香とともに
仏様へお供えされるジャスミンの花飾りを
皆が次々と柱へかけていきます。

この、糸で通した花飾りを実際に見てみたかった、と
いうのも今回の目的のひとつでした。

むせかえるような芳香。

ミャンマーのガイドブックに
頻繁に出てくる「善男善女」、
日本では死語ではというこの言葉が、
まさにそれ以外にないと思えてくるほど、
長く、何度も、静かにあるいは笑顔で
敬虔に祈るひとびと。

いろんなところで何度も
「あなたも仏教徒か?」と聞かれました。

「いえ、私は仏教徒ではありません。
でもみなさんの祈っている姿は
とても美しく、本当に尊敬します」

となんとか身振り手振りでせっせと伝えたかった。
けど、十分には伝わらなかったと思う。

 

最終日、
「まあ持っていけるところまで持っていってみたら?」と
機内への鞄に、友人がかけてくれたジャスミン。
花を仕事にしているからこそか、
いつもは気恥ずかしさが先にたって
そんなことは絶対にしないのですが、
今回は、花に負けました。

きれいな空港ですが、
中には一軒のカフェさえありません。
たったひとつ、会議室のような机に並べられて
いくつかのパンが売られているだけです。
こういうところが確かにミャンマー。
でも行き交う空港の係員はみな、
私が大事そうに持っているジャスミンの花飾りを見て
ちょっとだけ笑顔になってくれます。

ミャンマー、とてもよかったですよ。

 ぬかづけばわれも善女や仏生会(ぶっしょうえ)

                 杉田久女

ではみなさま今日もおつかれさまでした。

後日補足です。コメント欄でのご質問にお返事です。

ジャスミンの花は、出国前に手荷物検査の方へ
もらってもらいました。
ありがちメイワクな観光客。
苦笑込みでも、皆で一斉にさざなみみたいに
笑ってくれました。

なお、日ごろこういうナマモノを日本へ
持ち込むことはしないようにしています。
北海道でも外来種の駆除の話などを聞きました。
こっそり持ち込めたとしても
やっぱ、何がひそんでいるかわからないし。。。
ニッポンも、いいところですよね。
日本の景色も、大事にしたい。

では明日もどうぞよろしくお願い申し上げます。