冬苺と、姫やしゃぶし。

今日は携帯で撮った自分の稽古の写真です。

たとえば、
薄を生けるときに、
「どんなふうに薄が風になびくかを
実際に見たことがあるか?」と
問われたりします。

たとえば、水引という草花を
水に自らの手で生けようとするとき。
自然の中で実際に水引がどんなふうに揺れるか、
私はたぶん、人よりも少しは、
見てきた回数が多いはずです。

たったひとつの趣味が旅なので、
ある真昼の小道、角をまがって現れる薄暗い下葉に
灯のように光るその水引の赤を、
少なからず実際に見ている。

でもその景色を何度も見たことと、
それを水の上に自らの手で生けることは、
また別の話です。

実際に花が咲く様子を
見ていなくても生けられる人はたくさんいるだろうし
見たからといってちゃんと生けられるわけでは
けしてないのですが、
ただ、時々こういう景色を見て
それを取り込んでおかないと
自分の場合には
いつかは花を生けられなくなる気がします。

私にとって旅とは、景色を
自分の内側に蓄える作業です。

旅先で歩きはじめると、10分やそこらは
人に会わないこともざらにあります。
平日の午前ともなればなおさらのこと、

数日前に降ったらしい初雪が、音をたてて落ちるのに
本気で驚いては
道端の雪が、少しとけてきらきらする様を見ます。

その上に再び散る紅葉を見ます。

旬の花で、とリクエストされて
冬らしい花にしよう、というとき、
実際の冬の匂いを知らない人に
足元の枯れ葉をどう踏みしめたか、
いくら語っても伝わりません。
逆に、自分の生ける花に、
その葉裏に、自分が見てきた
「冬」を、こめられたら、どんなにいいことだろう。

と、思います。

というわけで、だから
経理担当のアシスタントMさんへ、
上の写真のときの草津への交通費を
経費につけてもいいですか?
・・・ダメですか。
ええと、そもそも、旅というのは(以下省略&繰り返し)

 枯蘆の中すでに枯蘆退路断つ 
             
                   橋本多佳子

数日前のしょうもないクイズの記事が
一部の方々にうけたようで、ではと
また懲りずにこの冬も
「季節労働者の岩橋はどこに旅に行くのか」クイズを
やろうと思います。
もうひとつやりたいクイズがあります
のでそれとあわせてまた後日。

では皆様今日もお疲れ様でした。

華妃さんへ、本当にありがとうございました。
おめでとうございました、
そんなに、よいしょしてくださって、
華妃さんが読んでくれるのだったら
それだけでもいいかと簡単に木に登ってます。

これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

では皆様今日もありがとうございました。